2/7London-HongKong

最終日。8:00にチェックアウトして荷物を預かって欲しい、とフロントに頼む。
向こうで預けろ、といわれる。
そちらには、荷物預け場所がある。
係りのお兄さん、私の荷物を持って
 これはとても重いから£3-ね。
ホテルで荷物おいといて貰ってお金とられたの初めてだ。駅のコインロッカーの場所が分かっていればそっちに入れたな…失敗した。
 
*
 
ともあれ、うす曇の中出発。
まずは朝食。前述の通り、英国で一番いい食事は朝食。周辺で朝食を出すレストランを捜す。
 
ない。
 
Piccadelly周辺にはない。理由は不明。人は多いのに。
仕方ないので南下、AdmiraltyArchをくぐってホースガードの裏(どっちが表か分からないけど)をどんどん南下。全く、一切、食事を出来そうな場所がない。
目的地のウェストミンスターに到着。開場まで後30分ある。さらに南下してみる。
 次の交差点までに店がなければ、サンドイッチを買って公園で食べよう。
いい加減お腹が空いて機嫌が悪くなっている私はそのように決断する。
 
次の交差点。朝食の看板は見当たらない。
あきらめる。その通りはちょうどプレタマンジェ、スタバ、コンビニが10m置きにある通りで、ビジネスマンの姿が多い。
プレタは、昨晩食べた。スタバ?それは日本でも気軽に行ける。コンビニに入ってみよう。
思いのほか不思議なサンドイッチがある。メキシカンな感じだ。「ミックスド・ケバブ・サンドイッチ」を購入。名前に反してサンドイッチではなくてピタサンドだったけど。
 
では地図上の公園目指して歩こう。
寒いけど外で食べよう。
完全に諦めて、逆方向へ歩く。ビルはあるが店がない通り。工事中の場所が多い。
工事中で隠された隙間に、期待通りの看板を見つけた。○○の法則ですな…。
逡巡なく店内へ。サンドイッチは夜食べればいい。
 
定食を頼む。
家族経営らしく、おじいさん、おばあさんとお姉さんの3人で切り盛りしている店だ。
フライドポテト、ベーコン、目玉焼き、マッシュルーム、フランクフルト。
トースト、ミルクティーもついている。
量が多くて、脂っこくて、苦しくなりながら完食。ごちそう様でした。
 
*
 
既に開館時刻を30分過ぎた。そろそろ戻ろう。
ウェストミンスターに戻る。入り口にはガードマンが立っている。
立て看板がある。
…あれ?
大人 £10-
お金、取るんだ。それもかなり法外な金額だ。
目的地ではある。でも手持ちはわずか(その時わずか£22-しか持っていない)。
建物の周りをうろうろして悩む。
 決定:次に行こう。
鰯の頭も信心から、なのに 信仰の中心で\2,000-以上取るってどういうことよ。
 
*
 
現代芸術の作品が展示されている、と聞いたテートモダンへ。
ここは半端に離れている。直通バスを捜す気になれない。歩く。
またWaterLoo駅を通り、途中でスーパーに立ち寄って、とことこテートモダンへ。
 
建物は巨大だ。
展示物の量もとてつもない。
無料だ。
高校生(男女)が多い。
スケッチをする人も多い(老若男女問わず)。
幼稚園児もたくさん。興味深々で昼食的な絵を見つめたり、絵を描いたり。
 
ダリはやっぱり頭おかしいし、マグリットも変な人。でもやっぱり、変わらず好きだ。
 
*
 
シェイクスピア劇場。
高田馬場を思い出すが、馬場のものとはかなり違っていた(馬場には昨日2/21に行ってきたので見てみた)。色も、規模も。
 
*
 
セントポール寺院。
夜訪れたので、昼間の教会を見ようと思ったのだ。
立て看板がある。
…あれ?
大人 £9-
お金、取るんだ。それもかなり法外な金額だ。
一度見たしね。いいや。
 
*
 
向かいの店で買い物をする。
香港の人にしかわからないと思うけど、Marks&Spencerの食品屋さん。
オリジナルブランドに溢れ、楽しい。
 
*
 
中央市場を目指す。
途中のわき道の間から見えた教会にもおまいり。美しい市松模様。
名をBartholomewTheGreatというそうだ。中には入れないようなので外側だけ見物。
 
中央市場は既にせりが終わっている。
諦めてふらふら歩く。
ここでも「小心地滑」を発見。ちょっと嬉しい。
 
そのまま進むと本屋さんがあった。
レシピ本が欲しい。いえ、決して英国のものでなくて良いのだけど。
捜してみるが、いまひとつ。
替わりにフラワーアレンジメントの本がある。
どのページもとても可愛い。でも基本ではなく、なんだか高等技術っぽい。
購入は諦める。最終的にはプロの友人に買うべき本を教えて貰って、日本で買うことにした。日本語だからやっぱりニュアンスは伝わりやすい…様な気がする。技術に反映するかどうかは後日。
 
*
 
CoventGardenを目指す。
私の目算では、このまま歩いていくとちょうどいい時刻になるはず。
また少し迷いつつ、でも地図を見直して、方向修正して。
オペラ座のほうから大きく回ってCoventGarden、紅茶のお店、ボディショップ、お店をいくつか冷やかしてトラファルガー広場。
美術館も見たかったけど時間があまりないのともう足が疲れて階段を上る気になれなかったのとで付属ショップにだけ立ち寄る。気分だけ満喫。次に来た時は、ここからスタートしよう。
途中旧正月のお祝いをするチャイナタウンをのぞいて(不思議なことに、韓国からの輸入品を売っているお店が多かった)、歩きに歩いてPiccadellyに戻る。
荷物を受け取って15:00、地下鉄に乗って揺られること1時間。
空港到着。
 
*
 
ここではほとんどトラブルはなかった。
発券もスムーズ(2時間前なのに出発ゲートが決まっていなかったけど。通路席をお願いしたら「全部埋まってるよ」と中央の席になったけど)、
パスポートチェックは見るだけ(ゲートも何もない、外国人の私でも数枚見ただけで終了、書き込みもスタンプもなし)。
ひとつだけ、手荷物チェックが大変だった…。
列になって金属探知機を通る。それは普通。しかしやけに進みが遅い。並んでいる人の問題なのだが、ゲート直前まで小銭や携帯がポケットに入っていたり、コンピュータがカバンに入ったままだったり、上着を脱いでいなかったり。前の人を見れば分かりそうなものだが、とにかくみんなもたもたしている。かと思えば車椅子に乗った老人を押す団体(車椅子は1台だけ)が先頭に横入り。老人を車椅子から降ろして空港用に乗せ代えて…なすすべなく、待つ。
後ろからは「急いでます?」と聞きながら男がどんどん列を抜かしてくる。彼は4回折り返しのある長い列を抜かしてどんどん進む。勿論私にも「急いでますか?」と聞くので「どうぞ」と応える。ここで急いでます!と言ったところで仕方ない。
私の遥か後方から係員を呼ぶ声がする。「置き去りの荷物があるんだけど!」バチカンを思い出して、爆弾やナイフだと嫌だなあとちょっとどきどきするが、それはすぐに持ち主が見つかって受け取りに行った。
私まであと3人。と思うと横からインド系の女性が小さな子供を連れて横はいり。理由は分からないが、職員が連れてきたのできっと緊急なのだろう。しかしこの女性ももたもた。体中についたアクセサリーを外したり、子供から持ち物(ぬいぐるみやカバン)を受け取るのに懇々と説得し、それでも納得しないので無理やり奪って大泣きされたり、無人のベビーカーに載せた大量の荷物を一つ一つX線に通したり、とにかく大騒ぎ。
ふうやれやれ。あとはビジネスマン風の男性が3人。これはさっさといくだろう。
私の前の男性、これもきちんとして見えて実はもたもた君で、やっと自分の番になってからポケットやらコートやら、たくさんのポケットから一つ一つ物を出す。いらいらが頂点に達しそうになったとき、彼が通っていく。
そこで、X線が壊れた。
あたりの職員が集まって、ああでもないこうでもない。果ては緊急用らしいランプを点けて上官を呼ぶがしばらく来ず、やっと来たかと思えばのんびりゆっくり歩いてくる。彼も機械を見て何事かしている。
後ろから叫び声がする。
「壊れたのか? 壊れたのなら隣の機械で検査してくれないか」
まさにその通り。あいている機械はすぐ隣にある。
空港職員曰く
「設定に時間がかかるし人が足りないからだめ」
いや…どう考えても人は余っている。ボディチェックに5人、X線を見るのに3人、検査済み荷物を横に送るので2人。1台に10人もつく必要は、ないでしょう。
そんな問答をしているうちにやっと機械が直ったらしい。ここでやっと私の荷物を台の上へ。
もちろん何の問題もなく通り抜ける。所要時間5秒。
そして並び始めてから終わるまで、45分。
 
かなり時間的には余裕があったはずだが、お土産を見ている暇はちょっとないような気がする。
出発ロビーの方に歩いていく途中で食事。
朝買ったサンドイッチ(今二つ)、Marks&Spencerのチーズスコーン(本当に美味しかった!!)、オレンジジュース(普通)、mullrice。
 
mullrice:ヨーグルトの隣にあった、林檎の絵がかいてある食べ物。暖めても冷やしても、とある。ほかにはレーズンシナモン味、チョコキャラメル味があった。暖かいヨーグルトは想像つかないけど、知らない食べ物だから、とひとつ購入。
この旅最後にして最悪の味!!(笑
ねっとりした白い部分、ふんにゃりする穀物(riceだから米かな、オートミールみたいな感じ)、ほのかに林檎フレーバー、何となく甘い味。
私の好みとは大きく異なるよ…。
 
*
 
ともあれ、飛行機は無事飛び立った。
右は中国人中年夫婦。若干物が私のスペースに10cmほどはみ出してくるのが鬱陶しいけど。食事の内容も、映画も、見る雑誌とそのページも、免税品の購入も、寝る時間も、全て一緒なのが気持ち悪いけど。
左は、1席だけ。
離陸前、若く見える男性が、客室乗務員に案内されて後ろの方からやってきた。座席が分からなかったらしい。
しばらくすると、通路を挟んだ向かいに女性が座る。その前には男性が座る。
この3人は、全員が通路席側を陣取って座っていた。そのせいで私の通路席がなくなったのよ…と心の中で八つ当たり。
私の隣はどうやら女性の息子らしい。何をするにもお母さんに聞く隣の男の子。
お母さんに何かいわれて、頭上の荷物から本を取り出す。物理の参考書らしい。見るからに真っ白。予習か?宿題か?手付かず? 私が寝ている脇でぶつぶつ言ったかと思うと書いたり、映画見たり、トイレ行ったり、お母さんに怒られて勉強に戻ったり。落ち着きないのに体が大きいし、英語は通じないし。
結局、帰りのフライトではトイレに立つことも出来ず、足がひどく浮腫んだ。
 
悲しかったのは、映画は興味のあるものは音声のみしか聞こえず、全く興味のない仁侠映画はきっちり映ったこと。結局1本しか見ず、日本のポップスなどを聴いて過ごした。
 
*
 
定刻どおり香港到着。暑い。コートが邪魔。
なんて、エアポートバスは寒くて再度コートに包まったけど。
 
欧州は遠い。日本も、実は遠い。両方とも寒くいのと物価は同じくらいだ。
などと暖かい香港でゆるりと暮らす私は思うのだ。
旅行に行くと、行き先も、自分のいた場所も良いところも悪いところも見えるから私にはそれが楽しい。

2/6Firenze-London

とうとうイタリア最後の朝。
いい天気。もう一度高台から町を眺めるためにミケランジェロ広場へ向かう。
 
またもやバス3時間券を購入、12番バスに乗る。
ガイドブックにはこうある。
-ミケランジェロ広場へは12番バスで。13番バスもミケランジェロ広場行きですが、遠回りです-
12番と13番は、両方とも循環線、SMN駅から西回りが12番、東回りが13番。
ガイドに従って12番に乗ってみる。
 
始発から乗ったため座っていったのだが、途中でやたらに混む。よく考えると通勤時刻。
学生も含め満員になる。バスはどんどん進むが、山を登っていく気配がない。平地をぐるぐる…
穏やかな日差しで、すっかり眠りこける。
ふと気づくとバスはすっかりすいて、山道を登っている。よかった、間違っているわけではないらしい。
 
…ミケ広場到着は、SMN駅出発後1時間後。フィエゾーレと一緒じゃない。
そんなに遠くないのにと時間がかかった。何だかだまされた気分。
 
地図を見て、道の名を見て、そろそろかなと思った頃、バス停で降りた人がいた。私も降りてみる。
そこは教会。
ミケ広場の裏側の山には2つの教会があり、折角だからそこにも行こうと思っていた。
ミケ広場まで行っていたら、教会を見た後戻ってくる必要があったのでちょうどよかった。
 
教会の中へ。
しんとして、ほとんど真っ暗で、人は誰もいない。
明かりのある祭壇方面へ歩いてみる。ろうそくの明かりが揺れている。
後ろでがたがたっと音が。ひー、怖いよー。
出て行く時に分かったことだけど、まだ準備が出来ていなかったらしい。開場時刻にはいつも誰も来ないからかもしれないが、私が入ってきた時にはなかったお布施の箱(賽銭箱?寄付金箱??)が扉の前に置かれていたり、徐々に内部の電気がついたり、でもまだ人を迎える、というよりは眠っている感じのする教会だった。
 
ミケ広場。空は快晴、風が強い。 Firenzeの町一望。
時折バスが到着し、日本人の群れや中国人の群れを吐き出していく。
気にせず一人で風景堪能。
ミケ広場は町の南にある。フィエゾーレは北。ジョットの塔は中央。なんだか高い所にばかり登っている。
ジョットも天気は良かったが寒かったのと足場が狭かったのとでそれほど長居は出来なかった。
ミケは天気が良く、とにかく寒くて…寒かった。
バスは20分に1本らしい。帰るに帰れない。凍えて、それでも待っている間、景色を見続けた。
 
—-
 
帰りもやはり12番に乗った。循環線なので、13番で戻るのが正解。でも先に来たバスが12番。寒いし。乗り込んで考える。
地図に”シナゴーグ”という建物がある。
上から見ると、一つだけ屋根が緑色の美しい建物がある。多分アレだろう。
でもどの資料にも詳しいことは書かれていない。なぜ?不思議だ。
12番の通り道で降りればそんなに遠くない。行ってみよう。
 
バスは山を降り、少し大回りした後目的地へ。
シナゴーグ。近くで見ると大きくて、緑の屋根は見えない。
でも資料がない訳は分かった。部外者立ち入り禁止なのだ。
Firenzeをバラ色の町と表現するらしいが、この建物は緑。かなり異色で目立つ。
色に関して町で規制していてもおかしくないと思うのだけど。
 
—-
 
そろそろホテルに戻ろう。
途中バスに乗ったり、歩いたり。…またもや迷ったり。
それでもホテルについて、お風呂に入って冷蔵庫の中の食べ物を出して、チェックアウト。
Pisaへ向かう列車に乗る。
 
今回はPisa空港からLondonまで飛行機に乗る。
しかし空港行きの電車は朝と夕方しかない。
前述の通り、バスはひどい混雑で乗る気にならない(とはいっても空港まで乗り換え無しだから楽なのだけど)
Pisaまで行けば空港まで短い路線がある。
 
約1時間、問題なくPisa到着。その後が問題。空港行きは、どこから出るの?
全く分からない。荷物は重い(14kgあった)。バリアフリーなんて考えてない駅。
荷物下げて、階段下がって登って、電光掲示板を見に行く。5番線らしい。
また階段下がって登って5番線へ向かう。
そこの掲示はSMN行き、となっている。私が出発したところ。これは、絶対に違う。
日本人がいる。近くに荷物を放置して、再度階段下がって登って、今度は窓口へ。
空港は何番線?と聞くと、14番線だよ、と。
14?? 見る限り一桁分しかない。 階段下がっていくんだよ、と駅員さんは言っておしゃべりに戻る。
 
14ね…とりあえず5番線に戻って荷物を持つ。日本人の隣に置いておけば盗まれることもないだろうと思ったのだけど、よくかんがえたら布のバッグだし、高いものでもないし、誰も欲しがらないかも。
ともあれ出発まで後10分を切った。14番線はどこ??
階段下がって考える。少しでも数が多い8番線、の方に向かってみる。
…あった。
例えて言えばコバンザメのような。
遠いわけではないけど、ひっそりと「空港行き」ホームがある。14番線。途中はどうしちゃったの??存在しないんだけど。
 
もう着いている電車に乗り込む。
同じ車両の乗客は一人。
しばらくして大柄なお姉さんが乗ってくる。荷物も多い。
-この電車、空港に行く?
ウン、多分ね。
-合ってると良いわね~。
違った場合、我々は飛行機に乗りそびれるわけで、何だかのんびりした会話だ。
 
電車は少し遅れて出発。時刻表によれば5分で着くそうだ。
しかしものすごくゆっくり走る…動く。のろのろ。のろのろ。
8分ほど経過、空港駅に到着。
この駅、シンプルだ。空港駅、という表示がある。ホームがある。でも柵は低い。真っ直ぐのホームがあるだけ。人は思ったより多い。前方の車両に乗っていたらしい。
 
お姉さんと、ここでいいのよね? 合ってるよね?? とか言いながらみんなが進む方へ向かう。
無事空港に着いて、お姉さんとはお別れ。彼女はダブリンへ向かうとのこと。
 
空港カウンターはなかなか開かない。
列が空港の外まではみ出しかけた頃、やっと受付開始。
それでも私は前の方だったのでバスで来た乗客よりは早く終わる。
 
空港内の店を冷やかして、手荷物チェック。
ほとんど並んでいないのに、ずっと停まっている。
ひとり何度やっても引っかかるらしい。
毎回金属探知機が音を立て、ボディチェックをしている。
やっと私の番。金属探知機はならない。当たり前よ~と進もうとすると止められる。そのままボディチェック。かなりくまなく触られる。
何のための金属探知機なんだろう。
初めてだったので少し面白かったけど。
 
—-
 
今回は、イタリアからイギリスに行くのでパスポートチェックがある。
ゲートが開く、といわれる10分前になってやっとパスポートチェックが開いた。既に客はイライラモード。
私の番。
ここで最後のハプニングが起きる。私の身に。
 
私のパスポートは結婚前に取得したもので、結婚時に氏名・本籍の訂正をしている。
もちろんそれは日本国として正式な手続きで、いままでページを見せれば問題なく通ることが出来たのだ。
 
Pisa空港職員、私のパスポートと航空券を見る。
職員「名前が違う」
私「(またか~)結婚して名前が変わったから、4ページを見て」
職員「(隣の職員に見せる。何事か話す。首を捻る)」
私「パスポートの名前は前ので、今の名前は訂正後の名前で、それはチケットと同じでしょ」
職員「ほかの証明書を見せろ」
私「(かっちーん。香港IDカードを投げつける)私は香港居民でパスポートにもVISAが貼ってあるでしょう、その名前も同じ名前でしょう、香港政府にも認めてもらっているのよ!」
職員「(なんだこれは、という顔でIDを見る。めんどくさそうに判を押す、投げてよこす)」
 
後ろで待つ乗客からは、この東洋人はどんな不法なパスポートを持っているんだ、という目で睨まれているし、職員とのやり取りはほかにもなんだか細かいことを言われて数分間に及んだし、やたらに私のパスポートを見ているし、いらいらいらいら。
でも、IDカード手元に持っていてよかった。
 
—-
 
定刻どおり出るはずの飛行機は30分ほど遅れ(手際が悪い…)、とにかくLondonStansted空港に到着。
ここのパスポートチェックも、また引っかかると面倒だと思ったのだが、思いのほか感じよかった。
-日本人? コニチハ! 
 何日いるの? 1日!!
 香港に住んでるのね、旦那さんは香港人? 日本人、そうなんだ、何してる人?
 アリガト バイバイ
最後の方は個人的な興味だろうけど…。
 
—-
 
地下鉄駅に乗り換え出来る場所までバスで行き、そこからPiccadelly、ホテルにチェックインして荷物を降ろす。時刻は19:00少し前。
 
すぐに最小限の荷物を持って出かける。プレタマンジェ(スタバとプレタはLondonの至る所にある)でサンドイッチを買い、HerMagestyTheatreへPhantom of the Opera(オペラ座の怪人)19:30開演を見に。
ちゃんとVCDも見て、ストーリーは理解してから来た。
2幕の舞台、とにかく豪華! 大きなシャンデリアが天井から落ちてきたり、舞台に大きな階段が出来たり。無駄に思えるほどたくさんの人が出演して歌っている。その音が気持ち良い。
劇場自体は2階3階(2階しか見えなかったけど、座席表には3階があったからきっとあるのでしょう)のバルコニーが張り出して、椅子は狭いけれど通路は広め、目の前に背が高い人が座ると見えなくなるけどそれはいつものこと。
床は赤いじゅうたん敷き、係りのお兄さんたちは白いズボンに赤いブレザー?(前が短くて後ろが長い、燕尾服とはちょっと違うもの)を着ていてそれもちょっと面白い。
 
舞台の最後は怪人が消えてマスクのみが残る、というもの。なんだか悲しい終わり方。
私が聞き取れなかったせいで、細かい所に?はあるものの楽しい夜だった。
 
 
終演後は真っ直ぐホテルに戻って就寝。

2/5Firenze-Lucca-Firenze

Firenzeの見所、まだ見に行きたいところがあるので朝から動く。
 
まずはピッティ宮。
5つかな、博物館や美術館と公園とで構成される広大な宮殿。
夫オススメのパラティーノ美術館へ行く。
 
通常の美術館は、絵と絵の間隔を広く取って視界に他の絵が入らないような展示をしているところが多い。
ここは、壁一面、上から下までぎっしり並んでいる。
大きさも様々で、好きなものを順に壁に貼っていった、という感じだろうか。
どのような基準で並べているのか分からず、それはそれで少し面白い。
撮影禁止なので写真はないけど。たくさんの中に埋もれるように有名な作品もある。
途中で疲れてきたので、ざーっと見回して、好きな作品のみ作者やタイトルを見ることに。
今まで見たことがある作風だと目が行ってしまうようで、有名なヒトの絵を見ていた気がする。
 
*
 
オルサンミケーレ教会。
市場を改造したそうで、正方形に近い形。普通は長方形だったり、片方が丸かったり(前方後円墳??)するのだけど。
 
基本的に教会は好きで、特にステンドグラスがすき(書いたっけ??)もうひとつのポイントはパイプオルガン。
イタリアの教会はもうとにかく広くて、空間が多くて、でも窓は上のほうに小さくあるイメージ。
ステンドグラスは全部にあるわけではなく、また有名だからあるわけでもなく、気まぐれに素晴らしいものがあったりする。
オルガンは勿論弾けないけど、見ているととても幸せ。空中に設置してある(柱にくっついている感じ。どうやって弾きに行くのか興味津々)所もあり、祭壇上や後ろに大きくそびえるのもあり、ひとつの教会に何台もあるところもあり。とにかく統一感がなくて楽しい。
 
オルサンミケーレは祭壇の上のステンドグラスが素敵だったのと、椅子が可動式なのが印象的。
 
*
 
ジョットの鐘楼。
ジオット、とかいてあったりジョットとあったりジヨツトとあったり表記は色々だけど、聞いた感じはジョットに聞こえるのでここではジョットと呼ぶことにした。
さて、これはドゥオーモの隣にそびえる鐘楼。
入り口には警告。
-No Lift エレベーターありません / 414Steps 階段は414段です-
簡単に言えば、体力や気力のない人や足の不自由な方はやめた方がいいところ。ちなみに自力で登って下りてくる、その入場料は6euro、\900-也。
最初は快調、階段の横幅も広い。
そのうちだんだん狭くなって、でも同じ調子で登り続けなければならない。
前から後ろからすれ違ったり迫って来たり。
時にはへばっている人を追い越しながら登る登る。
どちらかといえば健脚な方だけど、途中で太ももがばりっと音を立てる。いたた。
気にせず登る。
 
鐘楼、なので鐘がある。ちょうど11:30の鐘が階段の途中で鳴った。階段の中で反響していい音だった。
この鐘を下から持ち上げなければ吊るせない。中心部は空洞になっていて、途中で踊り場が2箇所ある。
滑車か何かを使うと思うのだが、普段は金網がはってある=下が見える。
写真はFirenzeへ。高所恐怖症の人には勧められないけど。
 
上はかなりの強風。薄着で行って、芯まで凍えたので一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びて暖を取る。
 
*
 
昼食は駅構内でペンネを頂く。今ひとつだけど、ま、よし。
 
電車に乗ってLuccaへ行ってみる。所要時間1時間半。ちょっと読み違えたかな。
到着した駅は、本当に何もない駅でかなり戸惑う。
帰りの切符を売っている場所さえ分からなくて構内を回ってみたり。
帰りの時刻を調べてから町へ出る。
 
Luccaは城壁が残っていて町を取り囲んでいる、とガイドブックにある。
城壁の上が散歩コースになっていて、ぐるりと歩けるのだとか。
ちょっと面白そう。
 
町まで徒歩3分くらいか。
緑の草に覆われた土手が見える。それが城壁。
うーん、壁というか、土手??
 
見所はいくつかあるけど、それなりに回ったけど、この日は日曜日。
店という店、インフォメーションが閉まっている。
そんなわけでどこまで歩いても今ひとつめぼしいものがない。
 
一番大きなインフォメーションは開いている。
ちょうど入ってきた欧米人の親子が自転車を借りて行った。
いいかも。サイクリングしよう。
パスポートもIDも携帯も何一つ持っていない。かなり渋ったものの貸してくれた。
 
そんなわけで町の北側をサイクリング。
遠くの山は白く雪をかぶっている。
途中前から来る馬にすれ違う。
観光向けの馬車か、と思ったら警官だった。のどかだ。
 
古い街並みが残っていてよい感じなのだが、特別何も感じるところがない。
準備していかなかった私が悪いのだけど。
ここも道が気づくとうねっていて、迷いまくる。
 
50分くらいで自転車を返し、バスのチケットを買う。
バスでもFirenzeへ帰れることが分かったからだ。値段もほとんど変わらないし,疲れたから座って眠っていこうと思ったのだ。
 
切符売り場のお姉さんは非常に愛想がなく、乗り場を聞くと「front!Lozzi!」と言う。Lozziはバスの会社。とにかく外へ出て、Lozziバスがたくさん停まっている辺りへ行ってみる。
Firenze行きがないのでどうしようかと思いつつ、何人か待っている人がいるからもう少し待てばいいかと思ったりしているうちにバス到着。乗車。
 
待っている人の中に、4人組の少年(高校生か大学生か…)がいた。
彼等は道行く女学生(笑)をナンパしたり、とりあえず素行が悪い。
一緒のバスの一難後ろの席に乗り込んで、だらりと座っている。
この子達が襲ってきたらお財布が危ないな、などと思う。
 
このあと今回の旅行、3大ハプニングのひとつが始まる。
 
出発時刻2分前。
検札のおじさんが乗り込んできた。
実はガイドブックには「検札が厳しい」とあったのだが、このときが始めて。
どきどきしながら切符を見せると1秒もせず、手にとりもせずスルーして、一番最後、少年たちの2つ手前の席で通せんぼの形で停まった。
 
この後は私の想像。だってイタリア語は分からないもの。
検札「切符は?」
少年「…(勿論持ってない)」
検札「なければ乗れないよ」
少年「…(顔を見合わせてニヤニヤ)」
検札「降りろ」
少年「…(ぐずぐず)」
検札「降りろ!」
少年「じゃぁ今買うよ」
検札「買ってから乗車するのが決まりだ、今すぐ降りろ」
少年「運転手さん売ってよ」
運転手「お釣りも切符もないから売れないよ」

少年「じゃぁ買ってくるから待っててよ」

運転手「出発時刻過ぎてるんだ。降りろ!(既に2分過ぎているデジタルの時計)」
 
少年はかなり食い下がったけど、おまけに私のすぐ前で4人立っているのでキレたらとばっちりがきそうでかなり怖かったけど、とりあえず降りていった。
検札のおじさんがその後から降りると扉は閉まり、すぐに出発。
見ると少年たちはげらげら笑いながら歩いていた。
 
実は、鉄道もバスも、この次の便は1時間半ほど先なのだ。
彼らがどうしたのか知らないけど、時にはああして懲らしめないといけないのだろう。
 
*
 
このバスがまたかなり色々停まるバスで、Firenze着は2時間後。
仕方ないけど、ね。
少しFirenzeを歩き、スーパーを見つけて買い物し、ホテルに戻る。
 
この夜がイタリア最後の夜。
最初に入ったパスタやさんで美味しいパスタを頂いて、満足して戻る。
パッキングをして、チェックアウトは12:00なのを再度確認して、就寝。
 

2/4Siena-SunGimignano

一人旅。
朝から元気に朝食を食べる。
 
今日はSienaへ行こうと思う。
電車の時刻を見る。あと30分ある。
バス会社を夕べやっと探し当てたので行ってみる。昨日はもうシャッターが下りていたのだ。
 
ターミナルに入っていくと、なんとそこにはSiena行きが停まっていた。
お客さんは既にかなり乗っている。出発は…後5分だ。バスで行こう。
チケットを買って、出発!
<ちなみに、鉄道とバスを比べるとバスのほうが高い。その上時間がかかる。
でも街の中心地につくことが多かったり、通路が狭いし人の乗降も少ないので荷物の心配をしなくて良いから熟睡できるなど便利なのはバス…だと思った>
 
*
 
1時間半くらいかかってSiena到着。
ここはどこ?どっちを向いているの??
きっとこっち、と思ったのは完全に逆方向。警官に見つめられながら方向転換して市街地へ入っていった。
 
なぜSienaか。ここは夫が薦めた場所。とにかく行ってきて、すごく良いよ、と。
中世の街並みがそのまま残っているし、のんびりしてただ歩くだけで楽しいよ。
 
ただ歩くだけといっても、とりあえず名所だけは行っておこう。
カンポ広場、プッブリコ宮殿・マンジャの塔(可愛い名前だ)。
カンポ広場は宮殿の前を中心に扇形に、そしてすり鉢状になった広場。
宮殿前の道を挟んで排水溝があり、そこに向かって坂道になっている(分かりにくい説明…写真見てみてください…)
 
広場の周りの道で年2回競馬があるそうだ。パリオというお祭りで、夏に行われる。このパリオは1年かけて準備されるそうな…ということは1年中お祭り準備ってことよね…うらやましいような、大変だな、というか。
 
私が着いたのは10時前で、まだ美術館も塔も開いていない。
静かな広場の写真を撮って、南へ向かう。
 
この街にもドゥオーモ。修繕中。おまけにミサ中だったのでここもまだ一般開放していない。
となりのドゥオーモ付属美術館へ。実を言うと開館までの時間つぶしだったのだけど…ここはかなり充実していて私は好き。
入場してすぐにある丸いステンドグラス(撮影禁止)が素晴らしい。
あとは展望台(新ドゥオーモの名残、とガイドブックにある)。狭い狭い階段を3周くらい登るとそこは360度の展望。
たくさんの鳩がクークー言って迎えてくれる。落し物には注意、だけど南の端に建っているので街の様子が概ね理解できる。
名所の位置関係を把握して、お日様に当たって、風に吹かれてぼやーっと過ごす。気持ちのいい場所。風が強いのと歩ける幅は1mくらいしかないので高所恐怖症の人はちょっと無理かも。
 
美術館を出てドゥオーモへ。
ファサードが修繕を行っているけれど、入ってしまえば内側のステンドグラスが綺麗。
全体が暗いので正面の窓の光が神々しい。
ここは床のモザイクが有名だそうで、ロープを張って入れないように保護している。
また小部屋(ピッコローミニ家の図書館、ですって)の天井と壁のフレスコ画がまた華美とは思うけどきれい。
壁面は緑と白の大理石で縞々模様。ちなみにFirenzeのドゥオーモは3色の大理石、緑・白とピンク。
 
*
 
ガイドブックが言うところの“ここだけは見なければ”を見終える(カンポ広場の見所は、上から見たからいいことにする)。
昼時。
街を歩いてお昼にしよう。
表通りのパン屋さんは観光客でものすごい混み方、もぐりこむ余地がない。裏道を入るとまたパン屋さんがある。こちらはイタリア人しかいないしそんなに混んでいない。ここで2種類のピザを購入。
大きな四角い鉄板にピザ生地を広げ、具を乗せて焼き上げてから切ったもの。一つの大きさは15cm四方。
私はこちらに来て食べていなかったジャガイモとハーブのピザ、それからきゅうりとチーズのピザをチョイス。
オリーブオイルがかなりかかっていて胸焼け気分に襲われるが、久々のジャガイモも久々のきゅうりも美味しくいただく。ちなみに歩き食い。途中犬に見つめられる。すごく欲しそうだけど、飼い主さんがいるのであげない。
 
*
 
お土産やさんを覗く。
ナンニーニ、という街で有名なお菓子屋さん。喫茶店も併設。
ケーキ、クッキー、パン、コーヒー、ジェラート、パンフォルテ。
名物のパンフォルテを2種類購入。帰国後食べてみたけど、うん、ガイドブックの言うとおり、癖がある(笑)
生地が重い、締まっているというかねっとりしているというか。そこにナッツやドライフルーツが練りこまれて直径40cm位に焼き上げたもの。4種類売っていて、マジパン入りだったり、チョコレートがかかっていたり。これを扇形に切り分けて販売している。私は100gずつ切ってもらった。
 
*
 
教会を廻って、バス停留所へ。13:10発のバスに乗るつもり。チケットを買って、まだ30分時間があるので街の東側へ。
ここでスーパーを見つけ、トスカーナ名産キャンティワインを購入。
教会をもう一つ見てタイムアップ。
 
*
 
バス。
SunGimiganoへ向かう。
私の持つガイドブックは、今年香港で買ったものだが2002-2003年版。ちょっと古い。
ここにはSunGimiganoへの直行便はないので途中で乗り換えるよう書いてある。
だから行くつもりはなかった。
 
しかし、朝Sienaに到着したとき、入れ違いに出て行ったのがSunGimigano行き。
直行便、出来たんだ! 時刻表をチェックしたあと街を歩きながらSunGimiganoを決断。
 
しかしこのバス、1時間半以上かかる。ガイドブックには乗り換えて40-50分、とあったので1時間以内だと思ったら、昔乗り換えていた街を一回りするバスに変わっていたらしい。
乗ってしまったのだからもう仕方ない。じっと到着を待つ。
 
SunGimiganoにつくともう夕暮れが近い。
取り急ぎ町中心部まで歩く。インフォメーションを探して、帰りのバスの時刻を聞き、チケットを購入。
 
さて、この町はぐるりと城壁に囲まれ、塔が立つ中世そのまま小さな街だ。
Sienaも中世の街並みが残っているということだが、規模が違うことと、こちらの方が少し田舎な感じがするのが面白い。店員さんは無愛想(笑)
 
塔の町、だが中心部に塔が集まっているのでとりあえず見所はざっと見ることが出来る。
せっかくなので城壁に登りたい。町・北西部に向かう。
登ってみると、更に小さな見張り台がある。
ここでも風に吹かれてみる。気持ちいい。何とかと煙はxxx
 
城壁を降りて、今度は城壁に沿って北へ。すぐに出口がある。北のはずれ。
とりあえずこれで半周したということか。
入り口付近のお店でまたもやパンフォルテを購入。
 
東側もぐるりと回って、展望台(ただの道だけど)から街の外を眺めて。まるっきり田舎。農村が続く。とてものどかでいい景色。
いったん中心部に戻るが、あと1時間強時間が残っている。教会や塔を再度回る。
 
ガイドブックの地図を見る。”中世の洗濯場”という記載がある。しかし注釈は全くない。おまけに城壁の外だ。なんだろう。
行ってみる。
城壁は町を取り囲んでいるわけだが、この街、起伏が激しい。
道なりに進むと坂を下っていく。畑。木を剪定しているおじいさんがいる。
ベンチでは老人2人がおしゃべり。
降りきったところに門がある。
更に急な坂を下ると、建物がある。また登るの、イヤだな…。
遠巻きに、城壁沿いに進んでみる。中が少し見える。水かな。
”中世の洗濯場”だろう。坂を降り切る。進むと道がぬかるむ。そこが”中世の洗濯場”
今も新しい水が流れ込んでいる。水は澄んでいる。深さは50cmくらいではないだろうか。
3層に分かれている。街に近い方には、ハヤのような茶色い細長い魚が泳いでいる。
真ん中は金魚。
奥は、小さめの鯉。
皆ゆったり泳いでいる、誰も捕って食べようという人はいないのだろうね…。
ここで女性がお洗濯しながら喋って、またあの坂を登って家に帰ったのだろう。
重労働だけど、誰かにあって話が出来るのはやっぱり良いことだ。
 
私も坂を登らないと戻れない。
かなり急な坂。そろそろ足が音を上げ始める。
城壁まで到着。地図を見ると、更に奥に行っていない教会がある。ここまで行くと、概ね全ての地域を歩いたことになる。
行ってみよう。
 
道端に緑のものがある。
遠くから、草が生えているのだろうと思う。
近づくとそれは女性のスカートだった。
女性が壁に向かってしゃがんでいる。
彼女は小枝で何かをつついている。
カタツムリの殻だ。
突いて、持ち上げて、よく見て、手持ちの袋に入れる。
袋には既にかなりの数が入っている。
彼女が通ってきた道にはカタツムリの殻が残っている。きっとお気に召さなかったものに違いない。
私も一つ拾って見てみた。日本のものより殻が厚いと思う。だから火にかけても大丈夫、ということなのかしら。それとも日本のカタツムリも食べられるのかしら。謎だ。
 
*
 
一応、全エリア制覇を果たし、中央に戻る。
バスを乗り過ごすとあと2時間、この街にいなければならない。
暗くなるし、必ず乗りたいところ。
 
大急ぎで門まで歩く。甲斐あって出発時刻の15分前に到着。
であれば。
ジェラート・リベンジ。
今回は表示金額を見てオーダー。レモンとモラ(ベリー系かな?なんだろう、赤かった)
とても美味しい1.5euro。 ピンクのハートのウェファースつき。
 
バス到着。このバスが乗り換えの駅まで行くのか分からないので運転手に聞こうと思っていると、後ろの英国人らしい女性が私にこのバスはFirenzeへ行くのか、どこで乗り換えるんだ、と英語で聞く。
その英語は分かっても、答えが分からないから運転手に聞くつもりだと答えると、彼女は大声で
 英語が分かる人いる!? 
と叫ぶ。
乗客が全員振り返って、その中の学生らしい女の子が応対してくれた。
結局そのバスに乗ってOKだし、乗換駅も教えてもらえた(女学生さんも同じところで乗換えだった)。
でも叫ばなくても…その前に、完全に東洋人の私に聞かなくても…
 
乗り換えたバスはかなり順調にFirenzeまで進む。
私のホテルの裏手がバスターミナルだったので、一度ホテルに戻って荷物を下ろし、お風呂にゆっくり入る。
 
*
 
実はこの日がオルガンコンサートの日。
思ったよりも元気なので夜景撮影兼コンサートを聴きに行く。
でも夜だし、怖いのでぎりぎりのお金とカメラ以外は全てホテルに置いていく。
 
–結局一度も怖い思いをせずに済んだけれど、やっぱり異国で、どうやってもあのラテンの乗りには対抗できないので身軽であるに越したことはないと思う。
日本人の女の子は小奇麗にしているので、男性から見ると魅力的らしい(私のことではないよ)
日本人と通りすがるたびに誰かが声をかけていた。コニチワ、アリガト、カワイ。
日本語が分からないふりをするのは得意なので、完全無視して彼らの横を早足で通り過ぎる。だって、やっぱり怖い。
 
夕食はピッツェリアでコーヒーとピザ。なんだかパンばかり食べているのでやっぱりだんだん飽きている。
でもきのこピザ(私きのこ好きみたい)はちゃんと釜で焼いてくれたし、美味しかった。
 
コンサートは、フルートとオルガン。オルガンは教会のものではなく、電気のパイプオルガン。でもすごい音。教会の反響というのもあると思うけど、残響が綺麗。
個人的にはバッハNo.6の迫力に圧倒。フルートも最初はどうかと思ったけれどやはりプロのソリストとしての演奏は素晴らしいと思う。
気分よくホテルに戻る。
 
明日はとりあえず市内を見て…

旅行記の途中

友人から、頭混乱する!とメールが来た。
 
欧州旅行ははるか彼方昔のような気分。
写真見ながら順番や起きたことを思い出しながらつらつら書いていく。
順々に書いているつもりでも、まとめて書いておきたくなったり、前後したり。
後で読み返して加えたり削除したり修正したり。
実はup前に下書きして、一晩放置することもしばしば。
 
写真も、風景を撮っていたり可愛いものを撮っていたり
記念写真を撮っていたり、おまけに日付は香港時間で記録してるし。
やたらに同じような写真が多かったり、ぶれてたり、そういうのに限って1枚しかなかったり。
 
食べ物写真は日記に、風景はアルバムに入れているけど
最後におまけアルバム作らないと収集つかないかも。
 
読みにくいよね、ごめんね~。

2/3Firenze

夕べスーパーで瓶詰めのお土産を買った(我が家用)。
Tシャツで包んで割れないようにしてから夫に渡す。夫は荷造りしている。
休暇終了。彼はピサ空港からロンドンに移動し、香港へ帰国するのだ。
重たいものは出来るだけ渡して夫はチェックアウト。荷物はホテルに預かってもらう。
 
今日はいまひとつ曇っていて少し寒い。
 
*
 
昼までの時間、観光する。
絵好きな夫なので、とりあえず美術館系を廻ろうと思う。
まずはサンマルコ美術館。
ここは修道院を改装しているので僧房がある。その一つ一つに絵が描かれている。また「受胎告知」が素晴らしい(階段を登るといきなり絵があって戸惑う。登りきらずについ眺めてしまう)
「我に触るな」という絵もある。キリストが、女性の手から逃れているように見える絵だ。背景をご存知の方、情報求む。
 
割とゆっくり見たが、まだ大丈夫。次。
カスターニョ美術館。
最後の晩餐。作品数が少ないこともあって、客は我々のみ。座ってゆっくり眺める。
 
まだ平気かな、もう一度ドゥオーモ。
…午後からの開館。断念。
 
駅前のサンタマリアノヴェッラ教会はどうだろう?
…ここも午後からの開館。断念。
 
それでは、とランチ。まだ11:00前だけど。
12:00のバスで空港に向かうのだが、その後食事らしい食事を取れるのは夜の23:00を過ぎた辺り・飛行機の中のディナーになるはず。
さすがに食べないのは厳しいので、早いランチに付き合うことにした。
出発前にネットで調べておいた2軒のレストランを見る。
しかしまだランチの準備は出来ていない。
イタリア人の普通のお昼休みは12:30-14:00辺りなのだそうだ。仕方ない。
 
あきらめて、中央市場へ。
ここでリゾットを購入、ホテルに戻って荷物をピックアップして彼はピサ空港行きのバスに乗った。
満員のバス、結局空港で食べたらしい。
 
*
 
さて、一人になった。
ランチしよう。
 
さっき行ってしまっていた、12:00開店のセルフサービスのお店に行ってみる。
夫と食べたいねと言って食べる機会がなかったラザニアを、いっただきまーす。
野菜が足りないとは思いつつ、この国の食事の基本は炭水化物らしい。
本当に野菜が採りにくい。生野菜じゃがさばるばかりで量が食べられないじゃないか。
それでもトマトとモツァレラチーズをチョイス。オリーブオイルを少しかけていただく。…トマトだけでもOKかな。
ラザニアは見た目はこんなだけど、お店のおじいちゃんはかなりサービスして盛ってくれて量は多めだったし、美味しかった。
 
*
 
午後。
駅前のサンタマリアノヴェッラ教会へ。
ここも撮影禁止。
ステンドグラスが素晴らしく、しばし見とれる。
 
メディチ家礼拝堂。
なんだかゴージャスだけど、お墓なのよねえ。
自分が死んだら、焼いてどっかに埋めてくれればそれで充分だなあ。
皆に見られたり触られたりましてや写真撮られたり遺品が残ったり。イヤだなあ。
 
*
 
街を歩くと100円ショップではない、99セントショップがある。
入ってみると少しセンスがいい感じはするものの100円ショップとほとんど変わらない感じ。
 
本屋さんにも入ってみる。
あんまり変わらない感じ…?
もちろんイタリア語の本が多いし、明るくて感じが良いけど。
 
本屋さんではパスタやお菓子、チーズの本が欲しかったのだがよく考えたら英語の本はイタリア人には必要ないわけで、ということはイギリスで買うべきかなと思ったりして。
眺めるだけでわかるようなら買おうとも思ったが、やっぱり無理だった。ギブアップ。
 
*
 
もうすぐ夕暮れ。
フィエゾーレに行ってみる。
 
街全体を見ることが出来る場所として、ガイドブックには2ヶ所書かれている。
もう一つはミケランジェロ広場、こちらは街の南側。
フィエゾーレは隣町、に当たるのだろうか。バスで30分、北の街、とある。
 
バス3時間券を購入。乗り降り自由で、3時間有効。
バス内はぽかぽかして、うとうとしながらしばらく街を進む。
気づくと山を登っている。周りは木が生えている。オリーブかな。
終点はドゥオーモ(小さいけど)の前。
町の中心らしい。
 
一直線に見晴台のようになっている公園へ向かう。
…忘れてた。曇りだった。
遠くかすむFirenze市街は靄の中で、肉眼でもぼやけている。
レンズを通してみてもやっぱりほとんど分からない。残念、他の日にすればよかったかしら。
 
とりあえずぐるりと廻ってFirenzeまでバスで戻る。
 
*
 
戻って、少し街を歩いてからホテルに戻る。
今日こそオルガンコンサートを聴きに行こう。
「everyday」と書いてあったから、きっと今日もやってるはずだ。
 
暗い街をどきどきしながら歩く。
教会到着。
…ここも暗い…
チラシが置いてある。
週に2回の演奏らしい。でもやっぱりeverydayと書いてある。
気にすまい、次回の公演日のプログラムチラシをもらってとぼとぼホテルへ戻る。
 
食事はお惣菜。この日はかなり失敗だった。

2/2Roma

思いつきでRomaへ。日帰りする距離ではないような気もするけど。
 
*
 
VeneziaからFirenzeまでIEに乗ったが、その行き先がRomaだった。Firenzeは途中の停車駅のひとつ。
ふと、Romaにもいけるんだねー、とか言ってみる。何時間かかるんだろう…1時間半かぁ…近いねえ。
予定では丸一日Firenze観光をしようといっていたのだが急遽予定変更、Romaへ行くことに決める。なのでRomaに関連する資料の持ち合わせは某ガイドブック「ヨーロッパ」の「ローマ」見開き4ページ+見開き地図のみ。
 
朝食はバイキング。
ここにも野菜はないけど、クロワッサンは毎日日替わりで、チョコクロワッサン、ジャムクロワッサン、クリーム、シュガー、プレーン…。甘いケーキも3種類、甘いコンポート、甘いヨーグルト、甘いクッキー、甘いジュース。
他にあるのはフランスパン、プチパン、食パン、シリアル、チーズとハム。
体が甘いかんじ。
でも何度も次に来てくれるカフェオレに癒される。
 
*
 
さて、8:19発の電車の指定席を取る。
問題なし。
でも8時になっても何番線に停まるのか決まっていない。
前の駅から少し遅れていたらしく、出発も到着も10分くらい遅延した。
 
イタリア鉄道は、切符は自動販売機か窓口で買って、黄色い打刻機で乗車時刻を自分で打刻して乗り込むシステム。
つまりホームまでは切符なしでも行ける。
でも改札は車内で必ず行われ、そのときに切符を持っていなかったり打刻していなかったりすると多額の罰金がある(らしい)。
切符は持っていただけではだめで、打刻しないと無効なただの紙なのだ。
 
定刻少し前に到着した電車に乗り込み席に着いていたら夫が「あ!忘れた!!」と叫んで立ち上がり外に消えていった。
何事か分からなかったが、戻ってきた夫の手には切符。打刻を忘れていたのだ。
打刻時刻は8:25、定刻発車していたら無賃乗車になるところだった。やれやれ。
 
*
 
景色は街を離れるとすぐに田舎町になり、そのままトンネル・山・畑、というのどかな景色になる。
畑は最初はぶどうの木が多かったのだがだんだんオリーブの木が増えていく。
写真はうまく取れなかったけど、とにかくのどかでうららかで、いい感じの日だ。
 
*
 
Roma Termini到着。中心駅で、ここから地下鉄が2本通っている。バスのターミナルもある。
名前はLineaAとLineaB。ひどい、A線とB線だって。
両方に乗ったが、A線は駅構内は少し古めかしいものの車両はぴかぴかで清潔。快適。
B線は、どの車両にも落書きがあり、何とはなしにすさんだ雰囲気。
名前からして多分A線の方が古いのだろうけど、リニューアルしたばかりなのだろう。
乗り方は日本と変わらず、自動改札で切符を通すシステム。Londonも同じ。
国鉄の方がおおらかということかな。
 
*
 
ガイドブックに1日券があると書いてある。バスも地下鉄も近郊列車も乗り放題なのだそうだ。
A線の自動販売機で1日券を購入。4euro。
1回券が1euroだからまずまずだと思う。
 
A線でCitta del Vaticano バチカンへ。
実は朝、荷物は出来るだけ少なくするよう、パスポート、カード類、身分証明書などとにかく全部セキュリティボックスに入れていくよう言う夫に私は尋ねている。
 バチカン市国、でしょ?パスポートいらないの??
ない! そんなものない!! 少なくともEUだから大丈夫だ!!
 
本気で心配していたのだけど、パスポートや身分証明書のチェックはなく入国(どこからだったかすら分からないけど)、カソリックの総本山サンピエトロ寺院へ。
 
ここは結構混雑している。
手荷物検査が割と厳しい。飛行機搭乗と同じ、金属探知機と荷物はX線検査。それを待つために長い列を作っている。
列前方に黒いスーツケースが置いてある。しばらく放置されたままの荷物を不審に思ったか、警備員が3人がかりで取り囲む。
我々が近づいたときちょうど荷物が開けられたところ。爆発でもしたら巻き添えだなぁ…などとぼんやり思う。幸い爆発はなかったが、中からナイフが。
警備員大騒ぎ。荷物を列の外へ運び出す。
それを見て、もうほとんど手荷物検査場まで進んでいた人が荷物に向かってやってきた。人のよさそうな、くりくり頭のめがね君。
警備員激怒。めがね君を手荷物とともに連行。
何を言っているか、言葉が分からないし聞こえないのではっきり分からないが、ものすごく怒られている上に荷物は全部開けられて一つ一つ確認を受けている。
しばらくして我々が手荷物検査を受ける段になっても彼は開放されていなかった。
今日の観光プランはおじゃんになったはず。うーん、気の毒に。
 
もちろんめがね君など気にせず、サンピエトロ寺院へ。
カソリック総本山、どんなところだろうと思うが…今まで行ったどの教会よりもどの寺社よりも大きく、天井が高く、異様なまでに豪華。
いたるところに彫刻や絵画があり、素材は大理石、窓だけは格子窓だったが寺院内ではずっと上を見て歩いていた。
ドーム型の天井も美しい。
中でミサも行われている。観光に来ているカソリック信者達もミサの途中から入っていく。
オブジェや柱が多いので一目で大きさを図ることは出来ないが、とにかく巨大な建造物だった。
 
ため息。
総本山…組織の本部、よね。
宗教とは無関係に教会好きなので、他の国の教会も機会があれば見に行っているがとにかく豪華絢爛で。
夫に言わせると、バチカンにたどり着いてやっと巡礼終了、気分よく帰るために圧倒する豪華さで迎えるのがよいのでは、とのこと。
私は、本部に行ってみたら自分の本拠地よりあまりにも豪華すぎたら…なんだかいやな気分になると思う。宗教ってそういうものなのかもしれない、でも私にはやっぱりよく分からない。豪華さで圧倒するのって性に合わない。
 
ピエトロ、っていうとつい私の頭の中にはドレッシングが出てきてしまうのよね…
 
*
 
とりあえず、豪華な教会を出てバチカン博物館へ。
ここの目玉はシスティーナ礼拝堂。ミケランジェロの壁画で有名。
しかし注意。冬、そして平日、もろ閑散期。12:45入場終了。門は閉ざされ、高い城壁(国境??)に囲まれた美術館には完全に誰も入れなくなる。
 
気づいた夫が急かす急かす。幸い…本当に幸い、我々は入場することが出来た。
ここもまた豪華だ。ラファエロの壁画あり、古地図あり、展示品もものすごい。装飾もむやみに豪華だし建物は入り組んで自分がどこにいるのはよく分からなくなるし。
ちょっと面白いのはシスティーナ礼拝堂を抜けるといきなり現代美術の部屋になり、人影はまばらになり、すぐ出口になることか。逆戻りできないし。
出口に降りていく螺旋形の階段も上から見ると面白い。
 
*
 
さて、とにかく少なくとも見たいものは見た。
次はコロッセオ。地下鉄A線でTerminiまで戻り、B線に乗り換えてColosseo。
ここで昼食、駅でチーズとほうれん草のパニーニをかじる。飲み物はカフェオレ。
オープンカフェで、ひさしの下からコロッセオが見える。あまり味あわずに食べて入場(でも美味しかったのよ)。
 
コロッセオは闘技場。
しかしここも広い。ここで人間同士が格闘しても客席からはよく見えないだろう。
地下には猛獣を飼っていた、とのことだがライオンやトラだろうか? にしては個室が小さく見える。あれではストレス溜まって、外に出されたときに目の前の人をかじりたくなるのも分かる気がする。
日差しが強いから片側だけ壁の高さが高いとか、だったか。
昔聞いたいろいろなウンチクを思い出しながら一周。
ここでも修復工事を行っているのだが、実際、この遺跡のどこまでが古代ローマのもので、どこからが現代のものなのかいまひとつわからない。床はあからさまにコンクリートで固められているのでここは現代、としても。
 
コロッセオ上からフォロ・ロマーノと凱旋門を見る。
結局他を見てから廻っていこうとしたために閉場となってしまい、フォロ・ロマーノには入れなかったのでコロッセオ上から見たのと、柵の隙間から見た、それしかフォロ・ロマーノに関しては記憶がない。
他を見てから、の「他」はネロの庭園/クラウディオの神殿跡、なのだが…結局よく分からず。
 
真実の口前からバスに乗って、地下鉄A線に乗り換えてスペイン広場(工事中)、トレビの泉、パンテオン。
パンテオンは素敵だった。
天井に丸い穴が開いていて、空がそのまま見える(雨が降ったら床が濡れるのよね?)
 
そこからバスに乗って(インフォメーションで聞いたバスが来なかったので、とりあえず乗ったバスはB線の南の方行き)、途中駅で降りて、またまたB線に乗ってTermini駅。
10分後のIEは満席。40分後のIEも満席。
30分後の急行に乗る。倍の3時間かかるのに、それも満席。自由席に乗って何とか座れる。
 
Firenze到着は21:30。Romaは見るべきところがたくさんあるので少し時間が足りなかった感じ。それから準備不足…電車の中でガイドブック4ページを見ただけではやっぱり効率悪い。
Terminiのインフォメーションも見つけられなかったし。いまひとつ消化不良。次回はフォロ・ロマーノへ行こう。
 
明日は夫が帰国する。

2/1Venezia-Firenze

Veneziaからイタリアの新幹線IEに乗ってFirenzeへ。
昼にはFirenze。美術館、教会など歩く。
 
*
 
Veneziaのホテルで朝食を食べて出発。
鈍行電車に乗って橋を渡り、Mestreで乗り換え。
IEは指定席、ゆったり座っ3時間、Firenze SantaMariaNovellaへ。
駅前のホテル Ambasciatoriにチェックイン。
景色がいい! 毎日窓から写真を撮り続けた。
 
*
 
昼食。ホテルの部屋、真下にあるPastariaへ。
3種類のパスタとカフェラテ。
 
2種類の盛り合わせ
Trofie di Recco(生パスタ、形はチョロギみたいな…)
– Pomodoro fresco(フレッシュトマト)
  Zafferano e verdure(サフランと野菜)
 
Tortellini(雲呑型。中身は肉)
– Melanzane,pomodoro,peproni e zucchine(なす、トマト、パプリカ、きゅうり)
 
美味しい。量は考えられないほど多い。深さ3cm、長辺30cm。ここに山盛り…
フレッシュトマトが一番美味しかったな~。でも食べきれず。
この店のカフェラテ、旅行中で一番美味しい。
 
店員さんの一人は日本人。
店構えも入りやすい。客の半数以上が日本人だ。
日本人店員さんは日本人客についてオーダーの相談を受けている。
量や味について聞いているのではなく、何を食べたら良いのか分からないらしい。
不思議だ。何を食べるか、店に入って、座って、それでも決められないのだ。
メニューはイタリア語だが、英語もイラストも併記してある。
パスタ、リゾット、ピザ、サラダとドリンク。日本でもおなじみのメニュー。
自由な旅行で、友人や家族といて、自分で食べるものくらい選びたいなあ。
 
*
 
とりあえず食事を終え、観光へ。
まずはドゥオーモを外から眺める。
時刻は14:00過ぎ。晴天によく映える。
でもとにかく行かなければ行けないところ、それはウフィツィ美術館。
これも夫の希望で、Firenzeではどうしてもここだけは行きたいという希望だったのだ。
そんなわけでまずは美術館。いつもは長い行列が出来ているといううわさの美術館も、オフシーズンの昼過ぎ、待ち時間も行列も無しですんなり入ることが出来た。
 
美術に詳しい人も詳しくない人も、誰でも知っている作品が並んでいる。
個人的にはボティツェリのプリマヴェーラ が一番好き。
 
ゆっくり見て、混雑もなく満足。
 
*
 
せっかくイタリアだからジェラートが食べたい。
このたび一番の失敗を犯す。
 
ジェラート屋に行く。
レモンとラズベリーのアイスをくれ、と頼む。
店員は巨大なカップに入れようとする。
ストップ、といっても停まらず、まあいいかとぼんやり見つめる。
 
夫が5euro出す。
様子がおかしい。店に奥へ来いと指示される。
おつりは向こう、ということなのかな。
 
レジに行く。
15euro。日本円で2,000円以上。
口がふさがらない。
夫は、確認しなかったこちらが悪いのだ、とお金を払う。
 
そんなことないぞ。
他の店ではこんなことありえなかったぞ(悔しいから違う日にも食べた)
 
店の場所はウフィッツィから川沿いをヴェッキオ橋へ向かい、橋を右に折れて10mくらいの左側、両替屋隣の「Gelateria Yogruteria」と看板が出ている店。店先でワッフルを焼いている。見かけが同じような店は他にもあるが、店頭に価格がないのは見た中ではここだけだった。
本当に注意。
 
*
 
私は小さいことに本当にこだわるので、未だに根に持っている。
歩き出して食べ初めてもまだぶつぶつ言っていた。
落としそうなので川端で停まって食べる。
1つだけにしておいて本当によかった。
 
落とす心配がなくなるくらい食べたのと、立ち止まってアイス、というのがあまりにも寒くなってきたのでヴェッキオ橋を渡り対岸へ。
写真を撮りながら東ヘ向かう。
 
次の橋を渡って戻り、サンタクローチェ教会へ。
後数分で閉まるところだった。よかった、ぎりぎり滑り込み。
 
ここは広くて、天井が高い。
内部は…お墓だらけ!?
壁に沿って何人もお墓が並ぶ。
日本の幽霊が出そうな感じではなく、小奇麗な感じでなんだか良いけれど、でもお墓だからなあ…
 
閉館直前なのはよく分かっているけれど、気持ちのいい教会だった。
修復工事をしていたのはちょっと残念。
 
この教会には皮細工の学校がある。夫は財布を購入。私は小銭入れをお土産に。
 
*
 
教会を出て歩いているとすぐに暗くなる。
夕食はどうする?
21:15からパイプオルガンのコンサートがあるって。
行きたいね。
でもお昼のパスタ、多かったしお腹あんまり空かないね。
外で食べるほどではない、スーパーを探そう。
 
しかし観光地、スーパーは見当たらず駅まで戻ってきてしまう。
インフォメーションに問い合わせて何とかたどり着く(入り口が小さくすっかり見落としたがホテルの向かい側だった)。
野菜が食べたい~野菜が食べたい~とうめくものの、生野菜はただ生野菜を切ってパックしてあるだけでドレッシングがない。食べにくそうだ。
お惣菜を探す。
あった。ハム、チーズの量り売りコーナーと同じところ。
ここでナスのオリーブオイル漬け、パプリカのオリーブオイル漬け、生ハムを購入。
せっかくなのでVinSanto(デザートワイン)も購入。
 
部屋で食事。
ワインをどんどん飲む。後で気づいたのだがアルコール度数は16%。普通のワインより少し高め?
ハムやナスをつまんで(この頃から私はオリーブオイルが鼻につくようになっている)、ワインをどんどん飲んで、うーん、コンサート、行く?
いったん部屋を出るが、急に動いたおかげで吐き気とめまい。
いいよ。今日はやめよう。
 
早めの就寝。
明日は…ちょっと意外な場所へ。

1/31Venezia-Padova-Venezia

朝食後、Padomaへ。夕方戻ってきてVenezia宿泊。コンサートを聴きに行く。
 
*
 
6:00起床。朝焼けは見えず。でも薄明かりで今日も晴れだと分かる。
なんとなくいい香りがする。シャワーを浴びる。
7:00ホテルでの朝食。部屋を出る。
廊下中がいい香り。なんだろう、この美味しい香りは!!
 
朝食はバイキング。欧州らしい、野菜のないバイキング。
チーズ、ハム、フレーク、ヨーグルト、クッキー、パン。
飲み物は毎回何が良いか聞いてくれる。毎回カフェラテかカプチーノを頼んだ。どこで飲んでも美味しかったなあ…。
 
いい香りの正体はパン。
普通にクロワッサンなのだが、なかに黄色いジャムが入っている。多分桃だと思う。
もう、もう、本当に幸せな味!
飛行機でたった2時間、こんなにも幸せなご飯が食べられるなんて!(大げさ?)
 
満足。
野菜はどこかでとるから別に良いのさ(とこのときは思う)。
次の日の予定を変更して、朝食後に出かけることにする。
 
*
 
さて、Padovaは電車にかたこと揺られること30分くらい、Veneziaから近い街だ。
ここは夫のリクエストなのだが、私は全く予備知識がない。
夫いわく、見所は2箇所のみなのだそうだ。
 
電車到着。
白い世界。霧が立ち込めている。
Veneziaでは晴れていたのだけど…おまけにかなり寒い。
2人であいや、あいや、とつぶやきながらとりあえずメインの通りを歩く。
 
左手にちょっと素敵な公園がある。
行ってみる。
右手の霧の中に雰囲気のいい建物。撮影。
 
この建物は一番最後に巡って来ることになる。
 
*
 
公園を通り抜ける。
だいたいこっち、という勘と夫が見ている地図により右折し、しばらく歩いてみる。
なんだか地図からはみ出した気がする。
教会の掃除をしているおじさんに聞いてみる。
 こっち行ってあっち曲がって、大体10分だよ
と言ったそうだ。私にはわからないけど。
 
言われたとおりしばらく歩いてみる。
住宅街+スーパーマーケットに入る。ちょっと郊外な感じ(後で考えるとそうでもないのだけど)
ま、ちょうどいいから気にせずスーパーへ。
夫の会社の方へお土産を買う(物によってはVenezia内より安い)
店員さんに再度聞いてみる。
 こっち行ってずっとまっすぐ。15分くらいよ。
あいや。何を信じたらよいのだか分からぬ。
 
そうは思っても言われたことは聞いてみる我々。
私の勘はこの際無視して、一応いわれた方向へ歩く。
どう考えても違う。目的地にはたどりつけていない。
年齢層・持ち物・大量の自転車。私の勘により大学なのでは、と憶測。
正解。
あいや…2つの目的地のちょうど中間に出てしまったよ。
 
*
 
やっと霧が晴れてきた。だんだん陽がさしてくる。
 
手持ちの地図にあるあたりに出たので、ここからは夫に任せて歩く。
大きな広場。
サント広場かな?
ということはあれが目的地かな??
大回りして広場を突っ切る。
さぁ目的の教会だ。
 
…なんだか地味…1日かけて見に来る感じではない…課外活動の小学生が群れて騒いでいるぞ
 
夫の決断。
ここは、違う。
地図を再度確認。
またもや地図外にはみ出たところにいたらしい。
 
さぁ、目的地へ向かうぞ。
歩き出す。一応確認しながら歩く。
あー、また住宅街だ。それも結構新しいね。
家と家の隙間からありえないものが見える。
街の城壁だ。街の端っこまで来ているね。
またまた道が違うね。
 
*
 
とにかくひたすら住宅地を抜け、やっと第1の目的地に到着。
サンアントニオ聖堂。
ちょうどミサをしていたので中心部を遠巻きにして歩く。
ここは、奇跡を起こしたアントニオさんのお墓が目玉。
聖堂内には電話メモのような紙がある。
アントニオさん宛てに願いを書いて、お墓の近くにあるご意見箱のようなものに入れるのだ。
お墓はたくさんの人になでられ続けているのでつるつるしている。お墓の周りは人が絶えない。
聖堂内はいちめん絵が描かれている。モザイクではなかったと思う。みっちり、柱にまで絵が描いてあった。
 
とにかく見終わって一息。
さて、次の目的地へ向かおう。
メインの道だけ、まっすぐ駅の方向に歩く。
 
*
 
時、既に正午。
第2にして最終目的地に到着。
スクロヴェニ礼拝堂。
ここは朝霧の中に見たなんとなく雰囲気のいい建物。
内部にはジョットのフレスコ画が一面に書かれている。
市立の美術館が隣にあるが無視して礼拝堂へ。
…チケットは美術館で売っている。おまけに入館時刻指定だ。
美術館へ戻り、10分後に入るチケットを購入。
このチケットは美術館と共通チケットになっている。
荷物の持ち込みは完全禁止とのことで美術館に荷物を預ける。
 
意気揚々礼拝堂へ。しかし外で待たされる。ひなたに座るが寒い。
 
時刻になるとガラス扉の中に招かれ、椅子に座ってビデオを見る。約15分。
場内は暖かく、音楽が流れ、全く分からない言葉。うとうと…
 
フレスコ画の保存のため、絵を直接外気に当てないように調整しているとのこと。
礼拝堂には2重、その外に廊下、扉を挟んで待合室。廊下の先には出口、通り抜ける部屋、そして扉。風が吹くようなことは絶対にありえない構造になっている。でも気温差があるから多分空気は対流していると思うのだけど。
 
ともあれ、ビデオの後は礼拝堂内部へ通される。
ここは、すごい。
小さな礼拝堂だけれど、床のモザイクを除いて天井にいたるまで全てフレスコ画でで埋め尽くされている。こっそり撮った写真は一番奥の大きな面のもの。
もちろん修復作業をしているのだろうと思うのだが、天井の青が鮮やか。壁面の他の色もよく残っている。
次の入場時間が来るまで15分間だけ見ることが出来るフレスコ画。もちろん完全入れ替え制。
 
表に出てここでも一息。
せっかく共通券だから美術館も見ていこうか。
お客さんは誰もいない。2部屋に1人くらい、監視員がいるが時々数名がおしゃべりしている。
我々が進んでいくと大股で追い越していく。
次の部屋にはその人が座っている。監視員だ。
暇なのだろうなあ…
ある監視員は絵の模写を真剣に行っていた。悪い人だったら絵を傷つけるくらい簡単に出来そうだ。
 
でもあまりにお客さんがいなくて、ざざっと見ていこうと思ったが小心者としては監視員が見つめる中、全く見ないで通り過ぎることが出来ない。
結構時間をかけてみてしまう。
ここにも略奪品がどっさり展示されていた。
 
*
 
なんだか疲れて、やっと昼食。
カフェテリア風のお店に入る。
リゾットとスパゲティを注文。
ここも美味しかった!!
リゾットは南瓜やナスが入っていて、ご飯と麦のリゾット。食感はむにむにしてなんともいえない。おいし。
スパゲティはただのトマトソースだけどこれまたおいしい! 麺は少し固め、夫は喜んで食べていた。
 
*
 
店を出て、夕食になるものを買う。
ピザとアップルシュトリューデルのようなもの。
戻って部屋で食べたのだが、りんごのほかにアーモンドやカシューナッツが入っていて、これまた美味しかった。
 
*
 
さて、電車でVeneziaへ戻る。
無駄に歩いたせいでなんだか精神的に疲れている。 
 
ホテルに戻る。荷物を置く。
夫はホテルで休んで、レストランに行くという。
私は行っていない北のほうを歩いて、部屋で食事をする。
20:15にコンサートがある教会前で合流することにした。
 
*
 
北の方は大きな見所があるわけではないのだが、一つ良かったのは土産物屋の充実(何も買わなかったけど)
中心部にはブランドショップがある。
そういうお店ではない、いわゆる土産物屋さん(カーニバルのお面とアクセサリーが多かった)は南にも点在していたり路地にあったりする。北は大き目の道に面して並んで建っているし、駅から近いから行きやすい。
スーパーも2軒見た。少しずつ買い物をする。
 
地図を持って、行き先をいくつか印をつけて歩いてみる。
3時間近く歩いた。見事に迷った。
暗くなってきたのでとりあえずホテルに戻る。
戻るには、ローマ広場の表示を見つければいいのだが、T字路にあたると左右どちらでもいいと書いてあることが多い。
しかし行けども行けどもローマ広場はおろか2つしかない橋にたどり着くことが出来ない。
実際はそれほど時間がかかっている訳ではないと思うのだが、ホテルに着いたときにはかなりぐったり。
 
部屋で食事をし、疲れた足を洗って再度外出。
教会へ。もう外は真っ暗。路地には電灯がないところが多い。道は細い。人は少ない。途中で気分が悪くなってくる。
とりあえず待ち合わせの5分前に到着。夫は時間少し過ぎに走ってやってきた。
 
コンサートを聴く。
ヴィヴァルディ:四季
中学校だったか、とにかく音楽の時間に誰もが習う曲。
全12曲の演奏だったのだが、しょっちゅう演奏している曲で慣れているからなのか、とにかく速い。全部で40分。
個人的にはこの曲に関しては細かいところまできっちり聞きたかったのだが。
他にも3曲+アンコール、1時間半くらいのコンサート。
 
*
 
帰り?
えぇ、迷って人に聞きましたとも。

1/30London-Venezia

LondonからVeneziaへ移動。
Veneziaは美味しい街だった。でもさまよいまくり。
 
*
 
4:30に呼んだタクシー。
3:30起床、お風呂に入って荷造りして、4:10チェックアウト。
既にドライバーさんは来てくれている。
 
Victora駅までタクシーで£14-。
メーターが無いので言い値だ。所要時間は15分位?
 
駅はまだ閉まっているが、人が群れている場所があったので向かってみる。
空港行きの電車の乗り場だった。空港に行きたいのだ、というと通してくれる。
我々も無事通過、事前購入しておいたe-チケットを職員に見せるとそのままスタンプを押し、日本の車内精算のような切符を出して我々に渡してくれた。
5:00出発。約30分間ゆるゆる電車は走る。車内で朝食、スーパーで買ったサンドイッチとヨーグルト。チーズとセロリのサンドは夫には重すぎたらしい。もう一つの卵とクレソンは食べやすかった。お茶を飲んで、全部食べ終わった頃Gatwick空港到着。
 
空港は南北2つのターミナルがある。
駅には北の路線一覧表があり「それ以外は南」と表記がある。
我々の路線は書いていないので南へ向かう。モノレールのような電車で5分ほど。
…ない。
EasyJetカウンターがない。
ぐるぐる見て廻った後、係員に聞くと「北」とのこと。
表示はちゃんとしておいてくれ…
 
時間はロスしたもののとりあえず無事カウンターを見つける。
自分で荷造りしたか、危険物の持ち込みはないか、など聞かれる。
おまけに最終案内の表示が出ている。電車は始発だったのに。
普通にチケットを発券してもらい、急げとも言われず、トイレにも行ってからゲートへ。
ゲートでしばらく待たされる。やっぱり急ぐ必要なかったらしい。
座席はフリー。3人席を2人で余裕で使って爆睡。
 
-ここまでLondon-
*
-ここからVenezia-
 
ふと起きると山が見える。
イタリア国境のあたりだろうか。
山はすっぽり雪に覆われて峻険。
少し雲はあるけれど写真をとりまくる。
 
揺れもなく無事到着。
入国審査も全く問題なし。
Japan? と聞かれただけ。
日本から来たの?という意味だったら間違っているけど、まあ気にすることないか~。
 
空港を出る。
暖かい!? 少なくとも寒くない。暖かいことの幸せを噛みしめる。
いい香り!! なんだろう、美味しい香りが立ち込めている。とても幸せな気分。
普通の路線バスに30分揺られてローマ広場到着。
ホテルは広場から見えるのだが、橋を2つも越えなければいけない。これだけは少し大変。
 
荷物を降ろし、さて、観光に出発。
今回泊まったのはホテルオリンピアHotelOlimpia。
お湯を沸かすポットがないことと、冷蔵庫に鍵がかかっていて使えないことを除けば申し分ないホテルだった。次の朝に食べた朝食のパンも本当に美味しかった。
イタリアの電源は小さい丸が縦に3つ並んでいる。出発前に教えてもらっておいて、プラグも借りて置いてよかった…なかったら写真はほとんど撮れなかったはず。
 
さて、Veneziaはとても小さな街だ。
だが運河と建物と曲がりくねった路地、いきなり出てくる小さな広場。簡単に迷う。
 
とりあえずメイン観光地サンマルコ寺院へ向かってみる。
道には様々な催し物のポスターが貼ってある。
途中夫が釘付けになったのは、弦楽団のコンサート。
教会で行うと書いてあるが地図を見るが場所が分からない。
やれやれ良かったわと思っていると、アマデミア橋を越えたところにその教会はあった。
仕方ない、ここなら迷わず来れるだろう。2人で見ることにして、次の日のチケットを購入。
 
サンマルコ寺院まではふらふら歩いて1時間位か。
最短ルートをさっさと歩いて30分くらいだと思う。そんな芸当は出来ないけど。
 
土産物屋を冷やかしたりとにかくうろうろして寺院到着。ここには広いスペースがある。なんだかほっとする。人の数より鳩のほうが多かったけど。
サンマルコ寺院の内部は金色のモザイクできらきらしている。
ここは特殊だ。
なんとも不思議な感じ、神々しいとはちょっと違う…毒々しい?
もちろんいやな気分になるわけではないけれど、派手すぎるかな。
 
*
 
無事サンマルコ寺院にもたどり着いたが、これは曲がり角ごとにサンマルコ寺院はこっち、と書いてあったから。
他に書いてあるものは4つ。
・ローマ広場(最初についたバスターミナル。ちなみに内部は車侵入不可)
・アカデミア橋
・リアルト橋
・ヴァポレット(唯一の公共交通機関、船)
だからそれ以外の場所に行きたい場合は地図を見て自分で悪戦苦闘しなければならない。
 
サンマルコの後、昼食をとることにした。
裏手に廻る。路地を入る。もうどこだかわからない…
美味しそうなBarを見つける。
ピザとコーヒーをいただく。
—おいしー!
きちんと釜で焼いたピザ。
生のきのこ、パプリカ、ナス。
 
立ち食いであれば半額で済むのだが、ゆっくり座って、ゆっくりコーヒー飲んで、本当に美味しくて、少々高かろうが焼きたてのピザ。かなり幸せ。
 
*
 
食事を終え、目的地もなくふらつく。
20分ほど歩いているとまた海辺に戻ってしまった。
であれば、ヴァポレットに乗ってみよう。
市内の運河を通り抜ける便は5euro。40分でローマ広場に着くという。
ドイツ・ライン川くだりの少しいやな思い出がよみがえるものの船最後尾に座ってみる。
風は吹いているが、それほど寒くない。
水辺から見ると水と建物とがよく見える。ベージュとレンガ色、暖色系の街を黒い水路が通っている。
少し寒いけど気持ちいい。
 
*
 
ヴァポレットを途中で降り、店を見ながら駅まで戻って電車の時刻を調べる。
駅周りを廻って、デザートを買ってローマ広場に戻るともう日が暮れ始めている。
夕食をレストランで食べるのはお腹が拒否している。
夫は外食に行くと言うので、私は小さなピザパン?フォカッチャだと思うんだけど、とビールを買ってホテルに戻る。
デザートのティラミスを食べた夫が出かけてからガイドブックを見ながらビールとパンをかじりティラミスを食べる。
 
*
 
Veneziaは景色の綺麗な街だ。
でも歩けど歩けど風景がループしている印象を受ける。
だんだん息苦しくなってくる。
決して嫌いなのではないが、しょっちゅう迷うのでくたくた。
 
明日。
夫の希望で電車で30分の場所に行くことに決定。