最終日。8:00にチェックアウトして荷物を預かって欲しい、とフロントに頼む。
向こうで預けろ、といわれる。
そちらには、荷物預け場所がある。
係りのお兄さん、私の荷物を持って
これはとても重いから£3-ね。
ホテルで荷物おいといて貰ってお金とられたの初めてだ。駅のコインロッカーの場所が分かっていればそっちに入れたな…失敗した。
*
ともあれ、うす曇の中出発。
まずは朝食。前述の通り、英国で一番いい食事は朝食。周辺で朝食を出すレストランを捜す。
ない。
Piccadelly周辺にはない。理由は不明。人は多いのに。
仕方ないので南下、AdmiraltyArchをくぐってホースガードの裏(どっちが表か分からないけど)をどんどん南下。全く、一切、食事を出来そうな場所がない。
目的地のウェストミンスターに到着。開場まで後30分ある。さらに南下してみる。
次の交差点までに店がなければ、サンドイッチを買って公園で食べよう。
いい加減お腹が空いて機嫌が悪くなっている私はそのように決断する。
次の交差点。朝食の看板は見当たらない。
あきらめる。その通りはちょうどプレタマンジェ、スタバ、コンビニが10m置きにある通りで、ビジネスマンの姿が多い。
プレタは、昨晩食べた。スタバ?それは日本でも気軽に行ける。コンビニに入ってみよう。
思いのほか不思議なサンドイッチがある。メキシカンな感じだ。「ミックスド・ケバブ・サンドイッチ」を購入。名前に反してサンドイッチではなくてピタサンドだったけど。
では地図上の公園目指して歩こう。
寒いけど外で食べよう。
完全に諦めて、逆方向へ歩く。ビルはあるが店がない通り。工事中の場所が多い。
工事中で隠された隙間に、期待通りの看板を見つけた。○○の法則ですな…。
逡巡なく店内へ。サンドイッチは夜食べればいい。
定食を頼む。
家族経営らしく、おじいさん、おばあさんとお姉さんの3人で切り盛りしている店だ。
フライドポテト、ベーコン、目玉焼き、マッシュルーム、フランクフルト。
トースト、ミルクティーもついている。
量が多くて、脂っこくて、苦しくなりながら完食。ごちそう様でした。
*
既に開館時刻を30分過ぎた。そろそろ戻ろう。
ウェストミンスターに戻る。入り口にはガードマンが立っている。
立て看板がある。
…あれ?
大人 £10-
お金、取るんだ。それもかなり法外な金額だ。
目的地ではある。でも手持ちはわずか(その時わずか£22-しか持っていない)。
建物の周りをうろうろして悩む。
決定:次に行こう。
鰯の頭も信心から、なのに 信仰の中心で\2,000-以上取るってどういうことよ。
*
現代芸術の作品が展示されている、と聞いたテートモダンへ。
ここは半端に離れている。直通バスを捜す気になれない。歩く。
またWaterLoo駅を通り、途中でスーパーに立ち寄って、とことこテートモダンへ。
建物は巨大だ。
展示物の量もとてつもない。
無料だ。
高校生(男女)が多い。
スケッチをする人も多い(老若男女問わず)。
幼稚園児もたくさん。興味深々で昼食的な絵を見つめたり、絵を描いたり。
ダリはやっぱり頭おかしいし、マグリットも変な人。でもやっぱり、変わらず好きだ。
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シェイクスピア劇場。
高田馬場を思い出すが、馬場のものとはかなり違っていた(馬場には昨日2/21に行ってきたので見てみた)。色も、規模も。
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セントポール寺院。
夜訪れたので、昼間の教会を見ようと思ったのだ。
立て看板がある。
…あれ?
大人 £9-
お金、取るんだ。それもかなり法外な金額だ。
一度見たしね。いいや。
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向かいの店で買い物をする。
香港の人にしかわからないと思うけど、Marks&Spencerの食品屋さん。
オリジナルブランドに溢れ、楽しい。
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中央市場を目指す。
途中のわき道の間から見えた教会にもおまいり。美しい市松模様。
名をBartholomewTheGreatというそうだ。中には入れないようなので外側だけ見物。
中央市場は既にせりが終わっている。
諦めてふらふら歩く。
ここでも「小心地滑」を発見。ちょっと嬉しい。
そのまま進むと本屋さんがあった。
レシピ本が欲しい。いえ、決して英国のものでなくて良いのだけど。
捜してみるが、いまひとつ。
替わりにフラワーアレンジメントの本がある。
どのページもとても可愛い。でも基本ではなく、なんだか高等技術っぽい。
購入は諦める。最終的にはプロの友人に買うべき本を教えて貰って、日本で買うことにした。日本語だからやっぱりニュアンスは伝わりやすい…様な気がする。技術に反映するかどうかは後日。
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CoventGardenを目指す。
私の目算では、このまま歩いていくとちょうどいい時刻になるはず。
また少し迷いつつ、でも地図を見直して、方向修正して。
オペラ座のほうから大きく回ってCoventGarden、紅茶のお店、ボディショップ、お店をいくつか冷やかしてトラファルガー広場。
美術館も見たかったけど時間があまりないのともう足が疲れて階段を上る気になれなかったのとで付属ショップにだけ立ち寄る。気分だけ満喫。次に来た時は、ここからスタートしよう。
途中旧正月のお祝いをするチャイナタウンをのぞいて(不思議なことに、韓国からの輸入品を売っているお店が多かった)、歩きに歩いてPiccadellyに戻る。
荷物を受け取って15:00、地下鉄に乗って揺られること1時間。
空港到着。
*
ここではほとんどトラブルはなかった。
発券もスムーズ(2時間前なのに出発ゲートが決まっていなかったけど。通路席をお願いしたら「全部埋まってるよ」と中央の席になったけど)、
パスポートチェックは見るだけ(ゲートも何もない、外国人の私でも数枚見ただけで終了、書き込みもスタンプもなし)。
ひとつだけ、手荷物チェックが大変だった…。
列になって金属探知機を通る。それは普通。しかしやけに進みが遅い。並んでいる人の問題なのだが、ゲート直前まで小銭や携帯がポケットに入っていたり、コンピュータがカバンに入ったままだったり、上着を脱いでいなかったり。前の人を見れば分かりそうなものだが、とにかくみんなもたもたしている。かと思えば車椅子に乗った老人を押す団体(車椅子は1台だけ)が先頭に横入り。老人を車椅子から降ろして空港用に乗せ代えて…なすすべなく、待つ。
後ろからは「急いでます?」と聞きながら男がどんどん列を抜かしてくる。彼は4回折り返しのある長い列を抜かしてどんどん進む。勿論私にも「急いでますか?」と聞くので「どうぞ」と応える。ここで急いでます!と言ったところで仕方ない。
私の遥か後方から係員を呼ぶ声がする。「置き去りの荷物があるんだけど!」バチカンを思い出して、爆弾やナイフだと嫌だなあとちょっとどきどきするが、それはすぐに持ち主が見つかって受け取りに行った。
私まであと3人。と思うと横からインド系の女性が小さな子供を連れて横はいり。理由は分からないが、職員が連れてきたのできっと緊急なのだろう。しかしこの女性ももたもた。体中についたアクセサリーを外したり、子供から持ち物(ぬいぐるみやカバン)を受け取るのに懇々と説得し、それでも納得しないので無理やり奪って大泣きされたり、無人のベビーカーに載せた大量の荷物を一つ一つX線に通したり、とにかく大騒ぎ。
ふうやれやれ。あとはビジネスマン風の男性が3人。これはさっさといくだろう。
私の前の男性、これもきちんとして見えて実はもたもた君で、やっと自分の番になってからポケットやらコートやら、たくさんのポケットから一つ一つ物を出す。いらいらが頂点に達しそうになったとき、彼が通っていく。
そこで、X線が壊れた。
あたりの職員が集まって、ああでもないこうでもない。果ては緊急用らしいランプを点けて上官を呼ぶがしばらく来ず、やっと来たかと思えばのんびりゆっくり歩いてくる。彼も機械を見て何事かしている。
後ろから叫び声がする。
「壊れたのか? 壊れたのなら隣の機械で検査してくれないか」
まさにその通り。あいている機械はすぐ隣にある。
空港職員曰く
「設定に時間がかかるし人が足りないからだめ」
いや…どう考えても人は余っている。ボディチェックに5人、X線を見るのに3人、検査済み荷物を横に送るので2人。1台に10人もつく必要は、ないでしょう。
そんな問答をしているうちにやっと機械が直ったらしい。ここでやっと私の荷物を台の上へ。
もちろん何の問題もなく通り抜ける。所要時間5秒。
そして並び始めてから終わるまで、45分。
かなり時間的には余裕があったはずだが、お土産を見ている暇はちょっとないような気がする。
出発ロビーの方に歩いていく途中で食事。
朝買ったサンドイッチ(今二つ)、Marks&Spencerのチーズスコーン(本当に美味しかった!!)、オレンジジュース(普通)、mullrice。
mullrice:ヨーグルトの隣にあった、林檎の絵がかいてある食べ物。暖めても冷やしても、とある。ほかにはレーズンシナモン味、チョコキャラメル味があった。暖かいヨーグルトは想像つかないけど、知らない食べ物だから、とひとつ購入。
この旅最後にして最悪の味!!(笑
ねっとりした白い部分、ふんにゃりする穀物(riceだから米かな、オートミールみたいな感じ)、ほのかに林檎フレーバー、何となく甘い味。
私の好みとは大きく異なるよ…。
*
ともあれ、飛行機は無事飛び立った。
右は中国人中年夫婦。若干物が私のスペースに10cmほどはみ出してくるのが鬱陶しいけど。食事の内容も、映画も、見る雑誌とそのページも、免税品の購入も、寝る時間も、全て一緒なのが気持ち悪いけど。
左は、1席だけ。
離陸前、若く見える男性が、客室乗務員に案内されて後ろの方からやってきた。座席が分からなかったらしい。
しばらくすると、通路を挟んだ向かいに女性が座る。その前には男性が座る。
この3人は、全員が通路席側を陣取って座っていた。そのせいで私の通路席がなくなったのよ…と心の中で八つ当たり。
私の隣はどうやら女性の息子らしい。何をするにもお母さんに聞く隣の男の子。
お母さんに何かいわれて、頭上の荷物から本を取り出す。物理の参考書らしい。見るからに真っ白。予習か?宿題か?手付かず? 私が寝ている脇でぶつぶつ言ったかと思うと書いたり、映画見たり、トイレ行ったり、お母さんに怒られて勉強に戻ったり。落ち着きないのに体が大きいし、英語は通じないし。
結局、帰りのフライトではトイレに立つことも出来ず、足がひどく浮腫んだ。
悲しかったのは、映画は興味のあるものは音声のみしか聞こえず、全く興味のない仁侠映画はきっちり映ったこと。結局1本しか見ず、日本のポップスなどを聴いて過ごした。
*
定刻どおり香港到着。暑い。コートが邪魔。
なんて、エアポートバスは寒くて再度コートに包まったけど。
欧州は遠い。日本も、実は遠い。両方とも寒くいのと物価は同じくらいだ。
などと暖かい香港でゆるりと暮らす私は思うのだ。
旅行に行くと、行き先も、自分のいた場所も良いところも悪いところも見えるから私にはそれが楽しい。